老人ホームで働いているびょうです。

今日は映画を見てきました。

本当は片付けに当てていた公休日なのですが、

単館系の短い上映の上、今日はレディスデイ。

同じく単館系映画が好きな母に聞くと、

自分も行きたいという。

認知症の映画なんだけど、大丈夫かなと行ってきました。

映画の話はまた後日。


うちの近所には大きなショッピングモールがあって、

映画館もあります。

夏に見た「カメラを止めるな!」はそこで見ました。

でも、大好きなアップリンクやギャガなどのミニシアター系の

映画を見られるのは隣接する政令指定都市の1件のみ。

昔はもっと沢山あったのだけど、寂しいものです。 


映画はとても良かったのですが、

その話はまた後ほど。


映画を見たあと、せっかくなので近くにある

県内で一番大きな街に寄りました。

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小さい時、少ないお給料で母が連れてきてくれて、

デパートで食事をして好きな物を買ってもらって、

最後は贅沢をしてタクシーで家に帰る、

そんな思い出がある大きな街です。

母も歩行が厳しくなり、実は家のすぐ近くから電車に乗ると

30分くらいで着いてしまう利便性の良さがあるのですが

もう電車に乗るのが大変なので

ここ数年、近づくことがなかったのです。

いつか連れて行ってあげて、

デパートの催事の「大北海道展」とか「うまいもの市」なんかで

一緒に買物がしたいなあって思っていました。

車だと駐車場が高いのですが、

今回はせっかくなので寄ってみました。

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ちょっと離れたら安めの駐車場もあるのだけど

母が歩く道のりを考えて、三越などデパートの下の

30分250円の駐車場に入れました。

でもね、

その駐車スペースから地下街に上がろうとすると

階段は結構あるのだけど、

エレベーターが少なくて結局沢山歩きました。

お店があるとそうでもないけど、

無機質な駐車場は私でも遠く感じてしまいました。


そして、やっと地下街に着いたのですが、

「懐かしい」と思って欲しいと思っていた地下街は

お店も入れ替わってしまっていて、

すっかり別の街のように。

自分は2ヶ月に一度、髪を切るのに来ているのですが、

こうして母の目線で見ると、

驚くほど違う街になっていました。


来る時には、ちょっと駐車場が高くなっても、

何か美味しい物を食べて帰ろう、

と思っていたのですが、

実際に行ってみると、気持ちが落ち着かないし

そもそも常日頃から

雑居ビルの一角で食事をするのが嫌で食事会などは断っているので

あらためてここで食べたい物などもなく、

何か買って帰ることにしました。


一番近いデパ地下は三越。

一緒に入ると、やっぱり歩くのに不安があるとのことで

カートを押してながらのお買い物。

そして一緒にケーキなど見ていたけど、

原料の高騰やブランド化による値付けもあってか、

高い!

近所のケーキ屋とは格が違うとわかっていても、

ショートケーキ1つ700円とか800円とか書かれると

ドン引きです。

私が一時間働いて、このケーキひとつかあ…

母もさすがに、欲しいとは言いませんでした。

近くのシャトレーゼでいいなあ。

もちろん、美味しいものは価値があるので

私もフランス料理とか割烹とか好きだけど、

ケーキはまあ、ケーキ。

高級なメンチカツもあったけど、

揚げ物は揚げ物じゃない?


ちょっとげんなりしながらも、

私のお気に入りのいつも買う、適正価格なお弁当屋さんで

お弁当を買いました。

お弁当を選んで、3種類のおこわを入れてもらうお店で

そこは800円程度でお弁当が買えます。

お弁当が無ければケーキを食べたらいいじゃない、

なんてマリー・アントワネットに言われそうですが…

たしかにケーキと弁当の値段が同じ(笑)


そうして歩いているのですが、

私は結構空気を読んでしまうので、気づきました。

高齢者の多い田舎に比べて、

カートを押す母をあからさまに避ける人がいる。

確かに、田舎というか郊外に比べて

人が沢山いるし、若い人も多いから

人の流れが早いのです。

見ているこちらもドキドキして、母を止めたり急かしたり。


なんだか全然面白くない…


母と、

「楽しかったこの街だけど

もう思い出の街は無くなっちゃったね。

思い出は胸の中にあるからもう帰ろうか」

とお昼ご飯にパンを買って、

早々に引き上げました。

どれくらい早々だったかというと、

駐車場の料金が30分で足りたほど。


都会に住む人は、ああした街で暮らすのがステイタスなのでしょうが

母の目線でみた街は

なんの魅力もなく、

すごい良いものがあるのかというと、

今の世の中、だいたいのものはイオンか楽天で買えるのです。

自分のペースで歩けないし、同じ商品を買うのに並ぶし、

駐車場から出る時だって大行列。

もう、都会は要らないなあ。


三越は高い食材が沢山あって、

沢山の人が買い物をしていたけれど

高いから美味しいのかというと、

そうとばかりは言えないです。

私はいつも産地直売所で買い物しているので

鮮度はデパートには負けません。

ふと思い出して、そこからずっとずっと遠かったけど、

産地直売所に行ってお米を買って帰ってきました。


こうして母と私の冒険は終わり、

子供の頃に母とワクワクした街と永遠にお別れしました。

ま、もちろんこれからも髪を切りには行くけれど

通り過ぎる街です。

もう私も老いたってことでしょうかね。

オシャレで高級な街よりも

お年寄りに優しくてゆっくり時間が流れる街が好きです。


さてさて、買ってきたお弁当を食べますよ。




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