介護施設で働いているびょうです。

先日、母の受診で朝から30キロ離れた病院まで行きました。

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無事に受診が終わり、

海の近くなのでその海の景勝地に寄りました。

凄い高波が立っていて、

東映まんがまつりが始まるような気持ちです。

ニュースで言っていた通り、

急激に冷え込んでいて、

ちょっと動画を撮りに海の鳥居まで行った私は

凍えそうになりました。

鳥居に行く途中、バス停の前に男女二人が立っていて

どこから来たのかな?と思っていたのですが、

動画を取り終えて車に戻っていたら

その二人がまだいるのです。

そして、その顔が、

凍えそうなほど、青ざめていたのですよ。

うーん、と思ったけど、歩み寄ってとりあえず英語で

話しかけました。

中国のお客さんだと英語も全然通じなくて大変だったことが

何度かあったのですが、

「バス待ってるの?」という問いに快く返事がありました。

どれくらい待つのか聞いたら、

2時間もあるじゃありませんか…

「乗っていく?」と言うと、

涙ながらに「ありがとう!!!」と言われ、

母の待つ車に戻りました。

車の後ろには夜勤で寝るためのおやすみグッズが山盛りで

大丈夫かなと思いましたけど、

なんとか乗りました。

「私の車は小さいけれど、いいですか?」と

一応、言ってみました。

「OKOKOKOKOKOK!」ってまあそりゃそうだよね。


無事に離れた駅まで送りました。

こんな離れた不便な場所まで、あの景勝地を見に来てくれた、

ありがたいものです。

その景勝地のすぐ近くにうちのお墓があって、

うちの家族たちもみんな見守っていてくれたことでしょう。


SNSで友達に凄いと言われたけれど、

自分は結構誰にでもすぐに話しかけるし、

観光地でも写真撮ってあげようか、というのは必ず言います。

みんな喜んでくれるんですよ、たったそれだけで。

自分も欧米で飲みすぎて倒れた時や迷子になった時に

見ず知らずの人に助けてもらったりしました。 

ほんと、良く生きてるなと思うこと、ありました。

逆に、あの寒空の中、薄着で震えているあの二人に

声を掛ける人が居なかったのが凄いと思います。

人気のスポットだから沢山人は居たのですよ。




私は、人の気持の中で、

「寒い」と「お腹が空いた」と「家に帰りたい」が

一番辛い気持ちと思っています。

お金が無いとか不安とか、いろんな気持ちがあると思いますが

人は寒い、空腹、帰宅願望が一番辛いし惨めになると思います。

人間の本能に働きかけることですよね。


今回は観光客二人を寒さから救うことができて嬉しかったし、

それは私自身を救うことだったと思います。

見ているのが辛いから。



そして、介護施設で働いている人なら誰でも悩まされる、

「ご飯食べた?」と

「家に帰らせて!」というのも、

私は看過したくないのです。

もちろん、何度もご飯を食べさせる訳にはいかないけれど

「もう食べたやろ!」

「家はここやろ!」

「もう勘弁して!」

なんて絶対言えない。

「さっき食べたよー ほらお腹の中に、さっきのお魚入っとるやん」

「今日はおまめさん食べたよ、美味しかったのに忘れたんねー」

「食べた後に私がお薬飲んで貰ったから間違いないよ」

できるだけ納得して欲しいし、

どうしてもの時は、あげても良いお菓子を少しだけ。

家にしたって、

もしも将来自分が何もわからなくなって、

気がついたら全然知らないところにいて、

段々外が暗くなってきたら、

「帰りたい」「お願い、家に連れて行って」

って泣きたくなると思うな。

OLしていた頃、夕方に帰宅する時に

段々暗くなる不安感、

そして帰路を歩く時に、

いろんな家から

焼き魚や煮物の匂いがしてきて、

思わず歩調が早くなってしまう時。

あの気持を

利用者さん達はみんな味わっているんですもん。

本当の彼らの心の中にある懐かしの我が家には

連れて行ってあげられないけれど、

今日、暖かい部屋とベッドは用意してあげられるんです。

明日も明後日も、

その日のベッドは用意してあげられる。

それは夜勤の私にだけできる大切な仕事なんです。

明日、偉い人に話してみようねとか

その時だけの嘘をつくことも多々あります。

それでも、今日の心地いい眠りを得るためには

やむを得ないことです。

そして、その家のことを聞いてあげることもできます。

魚が沢山採れて、美味しいんだよ、

田舎で畑仕事をしていたんだよ、

聞くだけで、心の中にはあの懐かしの我が家が再現されます。

今、住所がここだから、

さっきご飯を食べたからと言ったって、

本人がそう思っていなかったら

仕方がないのですよ、

事件は彼らの脳内で起こっていることなのですから。


介護施設での帰宅願望というのは

どうしても面倒だし、トラブルになりやすいから

嫌だと思ってしまうのは仕方がないのですが、

私もそこそこお年寄りの域に入ってきたので

その気持がわかります。


「ダモイ」という言葉を知っていますか?

ロシアの言葉で、

「家へ」「故郷へ」「故国へ」という意味で

昔シベリア抑留された人たちが日本を思い使った言葉です。

寒いところから、我が家に帰りたかっただろうなあ。

戦争ではいろいろな悲劇が産まれましたが、

このシベリア抑留は人として最悪の戦争の負の部分だと思っています。

「家に帰る」というのは

私たちが簡単に家に帰ってくる、というのとは

まったく別の深くて重い意味を持っている場合があります。

母は満州から引き揚げてきましたが、

彼女は大陸で産まれて、故郷を捨ててこちらに帰ってきたし

そこでも虐めに遭って家族で家を出て

長崎の公園のバラックに住んでいましたから

懐かしの我が家はありません。

一時期住んでいた賃貸の一軒家ももう壊されて駐車場になっています。

「びょうさんがいるところが私の家だからね」

と母は言います。

だから私自身が帰るところ。

健康に気をつけて頑張らないといけないと思います。


これから寒くなります。

あなたの愛する人は、寒さに凍えていませんか?

ニトリやしまむらも、

「寒くなったね、施設のおばあちゃんに贈ろうか!」

というようなCMを作って

暖かいインナーやパジャマ、寝具を贈ることを

ブームにして欲しいと思ってます。

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