老人ホームで働いているびょうです。

今日は朝に仕事が終わったのですが、そのまま別の仕事の用事で

出かけて、先程帰宅しました。

少しは寝ないといけないのですが、昨日寝すぎたせいか、

昨日の夜勤の時も今日も全然眠くなくて困っています。

身体は免疫低下でドロドロなんですけどね。


仕事上で起こったことは詳細を書いてしまうと個人情報にも

繋がるかもしれませんので、

あくまでも一般論として。


うちのような住宅型有料老人ホームというのは、基本的には

自立の方が住宅として賃貸+見守りが基本で、

その他に、訪問介護が入り、併設のデイサービスで

お風呂に入れたりと、上手いことできた施設となっています。

ところが。

年月が経つと、みなさんご一緒に歳を取ります。


歩けなくなる方もいれば、ボケてしまう人もいます。

そして、だんだん寝たきりの時間が長くなり、

いろいろと身体に不調が出てきたり、

脳梗塞で寝たきりになってしまったりする人もいます。

こういう施設にはそれぞれかかりつけ医が往診に来られて、

異常があれば入院をしたりします。

現代の医学の進歩は目を見張る物があり、

もうだめかも、と言われた人がいつもいつも

とっても元気になって帰ってきます。


しかしながら、入院していても老人ホームは賃貸しているので、

別途大きなお金がかかってしまったりするので、

ご家族によっては、

できるだけ受診させたくない、という方もおられます。

もちろん、ご本人様のことを考えて受診や入院を勧めますので

少し時間がかかっても病院にみなさん、行かれます。


でも、ご家族の関係や経済状態に寄っては、

どうしても、病院にはやりたくない、ということがあります。

もちろん、命にかかわる症状になれば救急搬送が義務付けられていますが、

数値的にまだもう少しかな、という場合、

私たちは勝手に動くことはできません。

欧州やキューバのように医療が無償の国なら別かもしれませんが。


で、そういう場合、夜の見守りの私たちは、

少しの変化も見逃すまいと、細かく細かく数値を測ります。

息のしかた、顔色、血圧に体温、

一番心配なのは血中酸素濃度。


父を自宅で看取った時も、最後の頃は血中酸素濃度が

とても低くなったので、酸素吸入器を持ってきてもらい、

酸素を吸入させながら、何度も何度も血中酸素濃度を測りました。


昨日も仕事の合間に何度も血中酸素濃度を測りに行き、

手足を温めてあげながら話しかけたり手を握ったり。

何かあればすぐに訪問医の携帯にかけられるように、

なにひとつ逃すまいと、じっと見ています。


人の命には大小も高低もなく、

一寸の虫にも五分の魂があると思って生きている私達。


ただ、こうして人の絆の影に隠れて小さくなって揺れている

小さな小さな命の灯火が、

この瞬間でも、どれだけ沢山あるのだろう。


孫やひ孫に囲まれて、手厚い医療を受けて悠々自適の方も

沢山いると思いますが、

家族からも半ば見放されて、お金がかかるからと

ある種、厄介者扱いされて、行き場を失っている命もあるんです。


手を握って、○○さん、がんばろうね、

と励ましながら、

自分自身、

一体何を頑張れというのか、

自問自答している。


まだお別れしてくないのは私のエゴ。

寝たきりで日々弱っていく、この人の余生とは一体何なのか。

早く全ての苦痛から解き放たれて、

人間のしがらみからも解き放たれて、

自由になって欲しい、

という思いを何度も振り払いながら仕事を終え、

後ろで職員たちが、もう長くはないだろうと言う声を聞きながら

次に出勤した時にまた顔が見られることを祈りながら、

車を運転していると、涙が止まらなくなりました。

私はこの仕事には向いてないのかもしれません。

もちろん、数をこなせば変わっていくのかもしれませんが。


今年の12月は、そんな涙の中、明けました。


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