老人ホームで働いている、びょうです。

世間は三連休、明日は成人の日。

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選挙権を持つ年齢を下げたり、18歳成人論なんてのもありますが、

私は、ヒキタクニオ氏の著書で読んだ、

「二十歳で成人は人生五十年の頃の話。

 人生80年を越えた今、成人はむしろ遅くしていい」

というのに共感します。

昔、母の頃は十代で嫁ぎ、二十歳の頃には立派な母親、

という人も多かったですが、

今の二十歳はまだアニメにコミック、ゲームが楽しいお年頃。

子供が子供のままで居られるというのはある意味幸せな時代です。

でも早く子離れしないとそのまま30も40もなっても、

スネをかじられますからご注意を。



介護施設に預けるのは悪いことか


ところで。

老人ホームで働いて数ヶ月、

今まで外側から見ていた介護業界というのを少しだけ

内側から見られるようになりました。

そして、いろんな方のブログで、介護施設では絶対にどこでも

虐待が行われているのよ的な文章を見ると、

ちょっと悲しくなったりします。

まあ、いろんな施設があり、人不足でどんな人でも

受け入れないといけない業界でありますから、

いろんな人がいるのはわかります。

うちもすんごい伝説の職員居ましたし。

(虐待ではなく、職員へのいじめです)


そういうのを見ると、自分の親を預けることが

不安になられる方も多いんじゃないかなあ。


確かに、いろんな事件がありますが、

それは日本の全ての施設の数から言うと、

ほんの少しの事例。


そういう、いろんな人がいる業界で、

自分を取り巻く介護業界の人間は、

本当に利用者さんのことを思って、

日頃から心を砕いている人ばかりです。


介護に他人を挟むのはメリットがある


「親を施設に預けるなんて、親不孝者だ」

という、誠に日本人らしい考えがいまだに横行しています。

自分も以前はそう思っていました。

でも、実際に施設で暮らしている高齢者の方々を見ると、

いろんな介助で人の助けを借りていても、

それが他人であって、自分の子供ではないことは、

子供に迷惑をかけたくない、というご本人の意思に

沿っていると感じます。


子供に迷惑をかけたくない、という気持ちを持ちつつも、

自分の身内だと逆にワガママを言ったりへそを曲げてみたくなるのも

人間のサガ。

そうすると、今度は、介護員は他人であるので、

遠慮する気持ちが生まれるのも面白いものです。

身内でなく他人が介助する、というのは

いろんなメリットがあります。

うちの施設の利用者さんたちも、

うちの施設の食事と同じものが自宅の食卓に並ぶと、

なんだこの質素な食事は、とか

これは嫌いだ、これは好きだとか、

いろいろご不満が出るかもしれませんが、

沢山の人の中で一緒に食べて、しかも介護員が見守っていますから

多少の不満はあっても我慢して食べられてるのじゃないかなと思います。


預ける人には預ける人の理由がある


預けてしまうと自分の眼が届かなくなるので、

どうしても疑心暗鬼になる部分はあると思いますが、

元々、何も問題なく広い家で限りない時間を持って

余裕で面倒が見られて同居できる人なら

施設に預けようなんて考えないと思います。

預けなくてはいけない理由があって検討していると思います。

個人で召使を雇う訳ではないので多少妥協は必要ですが、

子供が困った状態を見るのは親も辛いはず。

きちんと納得の行く待遇ができる施設を見つけて

預けるのは決して悪いことではありません。


預けても思う心があれば何でもできる


でも、働いている私達が一番寂しく感じるのは、

預けたら預けっぱなしで一切誰も会いに来ない利用者さんの存在。

キーパーソンになる方はいらっしゃるのにずっとほったらかしで

衣服も酷いことになっています。

逆に、毎週末お見えになって、お菓子を買ってこられたり、

食事に連れ出されたりするご家族様がいるととても喜んでおられます。

遠くに居ても携帯で毎晩のように電話してくださる方もおられます。


やむなく預けたとしても、いろんなその後の対処法があります。

費用によってピンからキリまでありますから一概に言えませんけど、

老人ホームに預けるなんてっ

という時代はもう終わっています。


まとめ


それぞれがそれぞれの人生を生きることができる時代です。

使えるものは使って、それぞれの人生を大切にしてあげて欲しいと思います。

例外もあるし、捻くれたり捻じくれる感情も時にはありますが、

子供の幸せを願わない親はいないです。

疲弊してしまう前に、まずは地域包括センターやケアマネに

相談してみましょう。




 
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