夢から覚めたら、家中の電気がついていたのです。
しかも午前2時。
ホラー映画なら、ここから何かが始まる時間です。
その夜は、あまりにも生々しく、思い出したくないような悪夢を見て飛び起きました。
映画『ハンニバル』を思わせるような、かなりグロテスクな内容だったので、詳細は自粛します。
夢の衝撃で飛び起きた私は、そのまま固まりました。
寝室の照明がついている。
「あれ? 私、つけっぱなしで寝た?」
そう思ったものの、その日のことはよく覚えています。
寝る前に常夜灯へ切り替え、暗かったのでスマホのライトを使ってベッドへ向かったのです。
つまり、寝室の照明をつけっぱなしにしたはずがありません。
嫌な予感がして部屋を出ると、さらに驚きました。
リビングも点いている。
ダイニングも点いている。
全部ついている。
「え? なんで?」
私は節約というより、「夜は暗いほうが落ち着く」と思う人間です。
普段はリビング以外の照明をつけることはほとんどありません。
それが全部点灯している。
時計を見ると午前2時。
まさに草木も眠る丑三つ時です。
これは怖い。
本気で怖い。
ドキドキしながら照明を一つずつ消しました。
でも、寝室へ戻っても心臓はバクバク。
中高年のドキドキは、ときめきではありません、命に関わりそう笑
その時、ふと思い出しました。
先日、和布刈神社でいただいたお清めの塩です。
「こういう時に使うのでは?」
そう思い、家の中に塩をまきました。
さらに念のため、水晶の念珠まで身につけて眠ることに。
翌日は、夜になるのが少し怖くなりました。
また同じことが起きたらどうしよう。
もう一度塩をまき、しばらくは念珠をつけて眠る日が続きました。
ところが、その後は何も起きません。
「やっぱり気のせいだったのかな」
そう思い始めた頃です。
夜勤の出勤前、お風呂に入っていて給湯器の時計表示が消えていることに気づきました。
「あれ? 時計がリセットされてる?」
その瞬間、あの夜の出来事が頭の中でつながりました。
もしかして停電?
短時間の停電が起きて復旧すると、リモコン式の照明は自動で点灯することがあります。
もしそうなら、家中の照明がついた理由も説明できます。
SNSで心配してくださっていた方にも、
「停電だったのかもしれません笑」
と報告して、ひとまず一件落着。
……と思ったものの、
本当に停電だったのか気になってしまいました。
調べてみると、電力会社には停電履歴を確認できるサービスがあります。
日時と地域を入力して検索してみると──
ありました。
午前1時頃。
鳥獣が設備に接触したことによる短時間の停電。
その後、自動復旧。
まさに、あの日、あの時間でした。
ようやく胸のつかえが取れました。
悪夢と停電が重なったことで、自分の中ではちょっとした怪談になってしまったようです。
でも原因がわかると、人はこんなにも安心するものなんですね。
しばらくは寝る前のホラー映画は控えようと思います。
悪夢と停電が織りなした、初夏のナイトメアでした。
年齢を重ねると、もう怖いものなんて無いわ、と余裕と思っていましたが、
夜中の不意打ちはやはり怖かったです。
「結婚しとけば良かった!」とまで思ったほど(どんだけー)
だからこそ、答えが見つかった時の安心感は思っていた以上に大きいものでした。
怖かった夜も、今では少し笑って話せる思い出です。
そんな小さな出来事も、きっと今の私を作っている途中経過。
私という途中経過。
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